Tシャツの始まりは?Tシャツの歴史
Tシャツの歴史
日々のコーディネートに欠かせない存在のTシャツ。
素材やシルエットなど、白Tシャツだけでも使分けている人も。
Tシャツは、ファッションアイテムの中でも存在感を放ちます。
100年以上前にさかのぼる、Tシャツの始まり。
はじまりは実は、軍隊で支給された肌着(アンダーウェア)だったことをご存じですか⁉
肌着から始まったTシャツ。それが、どのように進化し、アウターとしての地位を確立していったのか?
時代や社会のムーブメントに取り込まれ、進化を続けてきたTシャツの歴史をのぞいてみましょう。
※Tシャツの起源として、諸説の一つを取り上げています。
CONTENTS
Tシャツの歴史1 はじまりは軍隊の肌着
Tシャツの始まりは、ヨーロッパ海軍が着ていたアンダーウェア(肌着のシャツ)と言われています。
コットン素材で通気性もあり、夏にも適していたヨーロッパ海軍の肌着。
一方、Tシャツの起源として、思い浮かべる人も多いアメリカはどうだったのでしょうか。
当時、軍隊から支給されたアンダーウェアは、ウールで作られてたものでした。
現代の様な軽くTシャツ向きのウール素材ではなかった当時。
暑くて、重く、軍隊の肌着に向きのものでなかったことが思い浮かべられます。
そこで、改善を求めてアメリカが作ったのが、Tシャツの原型とされています。
この時は、アウターとしてのTシャツではなく、まだあくまで肌着としての存在でした。
ストックホルムオリンピック
1912年に開催されたストックホルムオリンピック。
アメリカの陸上選手は、アスレチック用としてほぼ現在のTシャツと変わらないものを着用していました。
この時に現在でも有名な「HANES(ヘインズ)」が誕生しています。
1920年代にはアスレチック用としても、アンダーウェア用としても定着。
カタログ等にも掲載されるようになりました。
1930年代
第二次世界大戦後に復員した学生たち。
その学生たちが、上着なしで着こなし、アウターとして定着。
軍隊で鍛え上げた元兵士たちが着るTシャツは、それはカッコよく見えたのでしょう。
Tシャツが注目を集めたのもこのころと言われています。
プリントTシャツの起源
体育の授業用に貸し出されたTシャツ。その貸し出し、返却を管理するために印字された数字。
数字の管理のために始まったのがTシャツへのプリントでした。
1940年代
アメリカ海軍はTの形をした、丸首のTシャツを隊員たちに支給。
それを着用した海兵は英雄的なイメージと結びついていったと言われています。
戦後は社会の階層を問わず、誰でも切れるリーズナブルな服として不動の地位を確立していきました。
Tシャツの歴史2 肌着の枠を超え始めたTシャツ
1950年代
Tシャツは情報発達の手段の1つとなりました。
それは当時はハリウッドの若手俳優により反抗精神の象徴としてブームとなりました。
1950年代の映画を振り返ると、『理由なき反抗』のジェームス・ディーン。
映画の中で彼が着こなしたのは、赤いジャケット、白Tシャツ、ブルージーンズ。
『欲望という名の電車』『乱暴者』の映画に主演したマーロン・ブランド。
Tシャツとブルージーンズの着こなしは、体制にとらわれないスピリットの象徴的アイトンに。
この頃から、Tシャツ=肌着の概念に変化が。
Tシャツは、男性のビジネス以外でのワードローブの1つとしてファッション要素を持つようになりました。
1960年代
ティシャツにプリントを刷ることで選挙運動にも使われるようになり、メッセージを伝える広告等としての役割も果たすようになります。
選挙活動の他にも、高コストの広告費を抑えるツールとして、企業の宣伝のためにも使われるようになりました。
他にも、店のユニフォームとしての存在価値も見いだされていきました。
1970年代に入ると、ヒッピーたちはプリントによるメッセージだけでなく後染めをほどこしてファッションを楽しむようになりました。
アウターTシャツの始まりでした。
肌着としてのTシャツから始まり、アスレチック用としてのTシャツ、ユニホームとしてのTシャツ、社会活動や企業宣伝としてメッセージをTシャツ、そしてファッションとしてのTシャツとあらゆる用途でTシャツを持ちいられるようになりました。
Tシャツの歴史3 音楽やアート、カルチャーとの融合
1970年代後半からはファッションとしての地位がどんどん確立されていき、特に音楽との融合が強くロックミュージシャンたちがブームを広げました。
そこから1980年代に入りバイカー、ストリート系へと広がり、さらにはアニメ等にまで広がりました。
Tシャツは、コンサートや美術館など必ずグッズとして販売されるようになり、ファッションとしても欠かせないアイテムとなりあらゆる文化と結びつくようになりました。
Tシャツの歴史4 よりドレス寄りに進化を続けるTシャツ
着こなしという面では、カジュアルの枠を超えなかったTシャツ。
それが今では、生地の発展やスタイリングとともにかなりドレスよりになってきました。
ネック等の変化に伴い、ドレスコードを越える日が近いかもしれません。
今から100年以上前に、肌着からスタートしたTシャツ。
個々の主張を伝え、ファッションの枠を超え続けてきているという事実と歴史。
Tシャツのさらなる発展が楽しみですね!