こんにちは。

日本製白Tシャツ専門店TORIHS(トリス)です。

世界中にファンのいると言われている「吊り編みTシャツ」。

TORIHSでも不動の人気を誇る吊り編みシリーズ。

 

その吊り編みの人気を探りに、

和歌山県にある吊り編み工場に行ってきました!

 

そもそも吊り編みとは?

吊り編みとは、その名の通り「吊り編み機」によって編まれた生地のことです。
吊り編み機は釣鐘のように天井から吊るされ、クルクルと回転しながら円筒状に生地を編む機械です。
そのスピードは1時間に約1m編める程度。そのため糸に余分なテンションをかけずに空気を含みながらリラックスした状態で編み上がります。
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そこで、工場の4代目社長にお話しを聞くことができました。

ちらの工場では、吊り編み機を300台保有しており、初代からの吊り編み機を今も継続して使用しています。

他に丸編機(針が上下に動いて糸を引っ張ってループを作って編目を形成する)も常設し、ジャージーを編み続けているそうです。

 

300台もあるのに希少な機械なの?と疑問が湧くのですが、

稼働しているのは100台程度です。

なぜでしょうか?

 

それは、「熟練者でなければ扱えないから」です。

 

吊り編み機は調整が非常に難しく、現代の高速機のようにコンピューター制御ができません。

人によって出来上がりの生地に違いが出るのです。

↑吊り編み機

↑高速機

 

現代の高速機はスイッチひとつで以前のデータ通りに編む事ができます。

しかし、吊り編み機は以前のデータがあっても同じように編むことができるとは限らないので、

絶えず微調整が必要になります。

吊り編み機に精通した熟練者がいて初めて、一定の編み方ができるのです。

人と機械が一体となって生まれる、まさに手編みのニットのような感覚です。

 

高速機の糸の口数(編み機の総給糸口の数)は、15~16セット。

糸の太さにもよりますが、1時間におよそ15~16mの生地を編むことができます。

しかし、吊り編み機は、口数が1~2個です。

それゆえ、1時間に1~2mの生地しか編むことができません。

Tシャツ1枚を作るのに必要な生地を1m、1日の機械の稼働時間を8時間をするならば、

高速機では120枚分、吊り編み機ではたった8枚分です。

 

さらに、高速機であればコンピューター制御ができる為、

24時間の稼働も可能ですが、

吊り編み機は人が管理する櫃があるので稼働時間が限られます。

 

吊り編み機には、ヒゲ針という特有の編針が1000本以上取り付けられており、

その台座が回転して、シンカホイールというパーツを通過する時に生地が編まれる仕組みになっています。

ヒゲ針↑

 

高速機は編まれた生地を下から引っ張りますが、吊り編み機はゆっくりと生地を形成していき、

自らの重さで編み下がっていきます。

↑吊り編み機


↑高速機

引っ張られるというストレスもなく、空気を含みながら編まれていきます。

現在でも、編み機の下には生地の受け皿となるタライ桶が置いてあるのです。

 

編み終わりに近づいてくると、前述したシンカホイールの調整が必要となるので、

ここで職人さんの登場です。

天候によって調整の仕方も変わるそうで、まさに職人技と言えます。

「ただファッションが好きなだけでは務まらない、職人魂が必要だ」

とは、社長の熱いお言葉。

 

創業から100年以上、時代が大量生産に流れていく中、吊り編み機にこだわり続けてきました。

吊り編み機の存続と職人の育成を主眼に、伝統を守りながら、

さらに吊り編み機を進化させ未来に進もうとしている、そんな想いを聞きました。

 

TORIHS(トリス)の吊り編みTシャツの生地は、

このようにして手間暇かけて作られています。

職人さんの熱い想いを胸に、今後もみなさまに満足していただけますよう、

努力していきたいと思います。

 

☆吊り編みの魅力について☆

☆吊り編みTシャツシリーズ☆